各国の言語にはその国ならではのニュアンスを持つ言葉というものが存在します。
ですからその言葉を他の国の言葉で説明するのはとても難しく幾つもの言葉を合わせてやっと近いニュアンスのものを伝えられると言った感じです。
今日のタイラボではそんな絶妙に伝えるのが難しい一つのタイ語をご紹介しましょう。「เลย:ルーイ」という言葉です。
日本語には無い言葉「เลย:ルーイ」の使い方 ニュアンスの説明
使用例
いつもはこういう言語系の記事を書くときには言葉の意味を説明して、それから使用例を引き合いに出し使い方を掴んでもらうことが多いのですが、今回の「เลย:ルーイ」というタイ語の意味を掴むためにまずいろんな使用例を見てもらえればと思います。
そのように立体的に見ることによってこのタイ語の持つ意味やニュアンスが浮き上がって見えてくるでしょう。
ざっと挙げますと「เลย:ルーイ」は以下のように使われることがあります。
กินเลย:キンルーイ | 食べて食べて! |
ไปเลย:パイルーイ | 行きな! |
เอาเลย:アオルーイ | 持って行っていいよ! |
มาเลย:マールーイ | 来て来て! |
ได้เลย:ダイルーイ | ぜんぜんOK! |
ดีมากเลย:ディーマークルーイ | すっごいイイね! |
สุดยอดเลย:スッヨートルーイ | 凄すぎる! |
เยอะๆเลย:ユッユッルーイ | たくさんたくさん! |
เป็นไปไม่ได้เลย:ペンパイマイダイルーイ | 絶対に無理! |
という感じです。といってもここにあげたのは日常生活でよく使うごく限られた例文であって、実際はほとんどの動詞や形容詞にくっつけて使えるのではないかと思います。
意味、ニュアンス
では上にあげたいくつかの例文からこの「เลย:ルーイ」というタイ語の意味やニュアンスを読み取っていきましょう。
まずはこの言葉が持つ意味ですがタイ人に聞くとみな口をそろえてこう言います。
「意味なんて無い。何となく使ってるだけ。」
なるほど。ということはニュアンスさえ掴んでしまえばこの「เลย:ルーイ」を使えるようになりそうですね。
上の例文の日本語訳(個人的な見解による意訳ですが…)によるとまず一つの共通点が見えてきます。
それはすべての訳に「!マーク」が付いているということ。つまり「感嘆」や「強調」といったニュアンスを持ち合わせていることが分かります。
実際タイ人に聞いたところこの「เลย:ルーイ」という言葉を「強調する」用途で使っていることが多いと言っていました。
上の例文からすると動詞の後に付くときは「強調」、形容詞の後に付くときは「感嘆」といった感じでしょうか。何となくこの言葉の持つニュアンスが見えてきましたね。
他にも「何も考えずともよい」「迷うことなく」「遠慮せずに」といったニュアンスをも含むようです。これらも「強調」というニュアンスに該当する感じがありますね。
使い方によっては「過ぎてゆく」というニュアンスをも持ちます。この辺りはややこしくなるので今回はスルーします。
ということでこの「เลย:ルーイ」という言葉が持つニュアンスが見えてきました。
簡単に言うと「強調や感嘆」のニュアンスを持っており、あえて日本語(?)に直すと「!」に該当するのかもしれませんし、他にも「全然○○!」「完全に」「全く」といった日本語の会話でよく使うフレーズにも置き換えれるかと思います。
これらを踏まえて上の例文を見直してみてください。
どうですか?どの言葉も何となくそんなニュアンスを持ち合わせていますよね。
最後にこの言葉を使う時の注意点を一つ。
この「เลย:ルーイ」という言葉は、会話の中で使う場合ある程度親しい間柄やくだけた雰囲気の中で使う言葉となっています。
なので初対面の人やかしこまった場面では使わないほうが良いのかもしれませんね。このあたりもニュアンスと共に使えば使うほど掴んでいけるポイントだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は日本語だと意味を説明しにくいタイ語「เลย:ルーイ」の持つニュアンスや注意点についてまとめてみました。少し整理してみますと、
- 「感嘆」や「強調」といったニュアンスを持ち合わせている
- 「何も考えずともよい」「迷うことなく」「遠慮せずに」というニュアンスも含む
- あえて日本語に直すと「!」や「全然○○!」「完全に」といったフレーズにも置き換えることができる
- 親しい間柄やくだけた雰囲気の中で使う言葉
もしタイ人と話す機会のある方がいらっしゃいましたらぜひこの「เลย:ルーイ」使ってみてくださいね。