良い人間関係に欠かせない要素の一つとして「リスペクト」の気持ちがあると思います。
あまりに非常識であったり偏った考え方はまた別ですが、個人それぞれキャラクターや考え方の違いはあって当然ですので、そこをどれだけ尊重しつつお互いにリスペクトできるかで周囲の人間関係は大きく違ってくると思います。
ということでこの記事ではタイ語で「リスペクト」のニュアンスを持つものをいくつかまとめてご紹介したいと思います。
「尊敬、敬意、尊重」リスペクトを意味するタイ語
尊敬している
まずは「リスペクト」の一番直接的な日本語訳かもしれない「尊敬している」というニュアンスを伝えたい場合、どのタイ語を使ったら良いのかから考えていきましょう。
その場合、次のタイ語表現を使うことができます。
「นับถือ:ナッpトゥー」
この「นับถือ:ナッpトゥー」に続けて人や物ごとを挙げることで、「その対象を尊敬している」という意味になります。
例えば「ボクは父と母を尊敬している」と言いたい場合、次のように言うことができます。
「ผมนับถือพ่อแม่:ポmナッpトゥーポーメー」
「誰が+尊敬する+誰を」という語順になります。
ちなみに観察しているとこの「ナップトゥー」という言葉は「信仰している」という意味合いで宗教などに関してもよく使われています。
国民の大半が仏教徒のタイでは多くの人が「นับถือพุทธ:ナップトゥープッt(仏教を信仰している)」と言っているのを耳にします。
国民IDカードに「宗教」の欄があるほど、「信仰」が生活な大切な一つの分野になっているタイではよく使う言葉かもしれません。
敬意
上で述べた「นับถือ:ナッpトゥー」の前に「ความ:クワーm」というタイ語を付けると「敬意」という意味のタイ語になります。
「ความนับถือ:クワーmナッpトゥー」
「ความ:クワーm」の使い方や意味に関してはこちらの記事をご覧ください。
「ความ:クワーm」を前に付けることで「尊敬する」という動詞が抽象名詞化され「敬意」という単語に変わるということです。
「แสดงความนับถือ:サデーンgクワーmナッpトゥー」で「敬意を表す」という意味になります。
タイではしかるべき対象に敬意の欠けた言葉や態度をとると不敬罪になる場合があります。
最近タイではそうしたニュースがたくさん流れていますので、上記のタイ語を聞くことが多くなったかもしれません。
さらにこの言葉を日常のどんな時に使えるかというと、例えば手紙の最後に一言添えるような使い方が多いでしょう。
日本でも公式の少しあらたまった手紙の最後に「敬具」「かしこ」という敬意を表す言葉を添えることがあります。
もしタイで手紙を書く機会があるなら文末に次のように書き足すことができます。
「ด้วยความนับถือ:ドゥワイクワーmナッpトゥー」
直訳すると「敬意と共に」「敬意を込めて」という意味になりますが、先ほどの「敬具」「かしこ」と同じニュアンスで使うことができます。
タイでの手紙の書き方、マナーには他にもいろいろありますので、近いうちに別記事でまとめたいと思います。
尊重する
日本語でも「尊敬する」「敬意をはらう」「尊重する」と、この辺りのニュアンス表現に同じ言葉を使うことがありますが、タイ語で「尊重する」と表現したい場合に使えるいくつかの言葉があります。
例えば「あなたの決定を尊重します」と言いたい場合、以下の表現を使うことができます。
➀「นับถือการตัดสินใจของคุณ:ナッpトゥーガーンタッtシンジャイコーンgクン」
➁「เคารพการตัดสินใจของคุณ:カオロッpガーンタッtシンジャイコーンgクン」
➂「ให้เกียรติการตัดสินใจของคุณ:ハイギヤッtガーンタッtシンジャイコーンgクン」
黄色のハイライトを引いた部分が「尊重する」というニュアンスを含むタイ語です。
その後に来ている「ガーンタッtシンジャイコーンgクン」は「あなたの決定」という意味です。
それぞれ「尊重する」と訳すことができるタイ語ですが微妙なニュアンスの違いがあります。
➀は「尊重する」という意味と共に尊敬の気持ちがこもっている表現です。この例文でなら心から賛同するというニュアンスがあります。
相手の人格や考え、決定に対するその人個人のリスペクトする気持ちが強く表れた表現です。
➁はまさに日本でよく使われる「尊重する」に近い表現だと思います。
「あなたには自分で決める権限があるので、私はその決定を尊重します」ぐらいのニュアンスで、例え自分が同じ意見ではない場合でも相手の意見を尊重する際などにも使うことができます。
相手の持つ権限や立場ゆえに生じるリスペクトをあらわす表現と言えるでしょう。
➂は「尊重する」というより「敬意をはらう」というニュアンスが強くなります。
ですからニュアンスとしてはかなり➁に近いものと言えるでしょう。非常にオフィシャル?(タイ語でいうところのทางการ)な表現となるようです。
またタイではお寺など地元の人が神聖視している場所がありますが、そうした場所や物に敬意を表する際にもこの表現を使うことになります。
➀~➂いずれも対象へのリスペクトがこもった表現となっていますので、自分の気持ちや置かれた状況によって使い分けていきましょう。
まとめ
「尊敬、敬意、尊重」といったリスペクトの気持ちが関係するいくつかのタイ語表現をご紹介しました。
記事冒頭でも述べましたが、良い人間関係には互いを尊重し敬意を払いあうことは本当に不可欠だと思います。
でも日本語での微妙な表現を外国語に置き換えるのは本当に難しいですよね。時にはピッタリそのままの表現自体が存在しないこともあります。
この記事を見てくださった人が、「これまで以上に相手へのリスペクトの気持ちを伝えられるようになった!」言っていただけるなら幸いです。