コロナ禍にタイへ入国したその経験が、今後またタイへ帰って来たいと願っている人たちの参考になればということで提供していただきました。
2020年10月ごろの情報ですのでいくらか今の状況と違う点もあるかもしれませんが、実体験を記したこの記事がきっと誰かのお役に立てると思っています。
タイラボ運営、編集 Nobu
※以下、Koteraさん目線での記事が続きます。
2020年3月から現在まで、タイではコロナ禍における厳しい入国制限が続いています。
とは言っても、日本からの入国を完全にシャットダウンしているわけではありません。
実際のところPCR検査や入国後の隔離・検査などの条件をクリアすれば、今でもタイへの入国は可能です。
実はわたしも2020年11月に日本からタイへ無事入国することができました。忘備録も兼ねてその経緯と手順をお伝えしようと思います。
【コロナ禍でタイへ入国する方法】ビザ取得、隔離ホテル予約、10万ドル保険、COE(入国許可書)申請手順
タイへの入国までに必要なものは在日タイ大使館のホームページに挙げられています。わたしもその情報とにらめっこしながら進めていきました。
条件や手順が変わっていることもありますので、大使館の情報に沿って準備されてください。
タイ入国への大まかな流れ
コロナ禍におけるタイへ入国するための全体的な流れを簡単にまとめるとこんな感じです。
タイへの入国手順
条件は感染拡大状況によって変化しますので、必ずタイ大使館ホームページをご覧ください。
https://www.th.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
① ビザの取得
では、ここからはわたしの実体験に基づいて説明していきます。
まずは「ビザの取得」です。日本国内でのビザ申請は在京タイ王国大使館、総領事館(大阪・福岡)または名誉総領事館(名古屋)で行うことができます。
ビザが取れればタイへの入国準備は70%終わったようなものです。
ちなみに郵送申請、受領は不可でした。
直接申請が難しい方は代行業者の利用も可能だそうですが、「Non O visa」 は本人の申請・受領が条件になっていました。(2020.9月時点)
※通常でしたらノービザで入国し、入国後ビザを切り替えることができましたが、わたしが入国準備を始めた2020年9月時点ではビザなしの入国は認められていませんでした。ですのでここでは「ビザあり入国」前提ですすめさせていただきます。
おそらく今のところ一番申請が通りやすいのはビジネスビザだと思います。
学生ビザも申請できますが、昨今このビザでの不法就労が問題になっていたのと、コロナ期間中はリモート授業が主体になっているところが多かったので、今この時期にタイに入国する必要が本当にあるのかと言う点を追求されることが多かったようです。
実際、学生ビザの申請をしていた方が大使館の窓口でかなり長く質問されていました。
余談ですが、東京目黒のタイ大使館は在日タイ人の中でも厳しいと有名らしいです。
「Non O visa」 と呼ばれる年金、リタイアメントビザ、投資家ビザ、エリートビザ(これは申請をするのではなく、タイの観光庁から購入する特殊なビザ)など長期滞在型のビザがあります。
また、観光ビザ(最大90日の滞在が可能)、特別観光ビザ(最大270日の滞在が可能)もあります。
同じ時期に入国した方は、医療ビザを取得し、長期滞在入国を勝ち取っておられました。(なんでも、バンコクで医療ビザを発行してくれる病院を自力で探し、連絡を取り、申請までこぎつけたそうです。すごい!)
大切なこと
各ビザの取得方法はタイ大使館のホームページをご覧ください。
条件がちょこちょこ変わる国ですので…書類が十分でないと申請を断られます。(書類が揃っていても、大使館の判断で発給を断ることもあるそうです。)
ビザを申請し無事通りましたら、通常2週間から1ヶ月で受け取れるそうです。
そこからはどんどん進めることができますので、ビザの申請は時間の余裕を持ってされることをお勧めします。わたしは9月から準備し10月に申請&受給することができました。
② 航空券の予約 ASQの予約 海外医療保険の加入
2020年10月の時点で、COE(入国許可書)を申請するためには航空券のコピーと、ASQホテル(タイ政府の隔離プログラムに参加しているホテル)の予約証明書が必要でした。
つまりCOEがもらえるかどうか分からないのに 航空券を買い、ホテルの予約(全額入金が必須)をしなくてはいけないのです。
大使館に問い合わせると、COE申請してから受給まで早くて1週間以内、遅くて1ヶ月と言われました。申し込み状況によって変化するそうです。
※2021年に入ってから、タイ政府は観光客の呼び戻すために入国プログラムに様々な変更を加えています。もしかしたらCOE申請ももっとスムーズな流れになるかもしれませんので、ぜひ最新の情報をタイ大使館ホームページからご確認ください。
= 航空券 =
予約購入方法:2020年10月時点では、日本ータイ間の航空便は特別便のみで、大使館のホームページから予約する必要がありました。
(現在は特別便プログラムはなくなり、「JAL」「ZIP AIR」 も参入しているようです。)
私が航空券を購入した時点では「タイ国際航空」と「ANA」の2択でした。
ANAは1万円くらいタイ航空より高かったですが、日本ブランドの安心感からか完売まで早かったです。
ちなみにわたしはタイ航空でした。キャンセルも無料で日本語の対応もできますし、何よりとても親切でした。
30キロまでの預け荷物無料、クレジットカード決済可能です。
タイ行き各社航空券の比較はこちら ➡ 格安航空券エアトリ
= ASQホテル予約方法 =
今はリゾートホテルでゴルフをしながら隔離期間を過ごすという「ゴルフ隔離プラン」なるものが出ているそうですが、今回は通常のASQホテルについてお話ししたいと思います。
予約・購入方法:在タイ日本国大使館のホームページにホテルのリストがあります。
https://www.th.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covid2019-asq.html
「ASQ タイ」で検索すると地図付きのリストを見れたり、予約代行してくれる会社も合わせて紹介されているサイトも見ることができます。
リストの中にあるホテルを選び、メールか電話で予約を取ります。
予約を完了するためには全額支払う必要があるのですが(後払いは不可でした)、クレジット決済できるところと現地の銀行振り込みのみのところがあります。
日本から振り込む手数料も気になるところですので、トランスファーワイズなど利用されると便利かもしれません。
《 ホテルの選び方 》
ホテルの値段はピンキリです。ざっと見た感じでは3万バーツから15万バーツ(約10万~50万円)と、かなり金額に差があります。
とはいえどの金額帯でも同じ隔離期間、隔離中の2回のPCR検査、空港からホテルまでのお迎え(隔離終了後は自分で移動先までの手段を確保する必要あり)、1日/3食の食事提供、そして病院との提携という要素が含まれます。
ですからその値段の差がどこに出るかというと、それはズバリ「サービスとお部屋の大きさ」であって、決して値段が高ければ隔離期間が短くなったり、各種検査が免除されるといったことはありません。
ただ単純により値段の高いホテルでは、より充実したサービスと快適なお部屋を選択できるということになります。
「2週間も狭い部屋は嫌だ」という方はスイートか広めのお部屋を、「多少狭くてもいいけど外で日光浴もしたい」という方はテラス付きを探すと良いと思います。
バンコク郊外などローカルのホテルですと、スイートルームでも割とお安く泊まれます。
タイに慣れていて「サービスは期待しないけど広さは欲しい」という方にはおすすめです。
言語に自信がないという方は、日本語ができるスタッフがいると明記されているホテルを選ぶなら、万が一の場合でも意思の疎通が図りやすくて安心ですね。
食事は3食必ず運ばれてきます。どのホテルも2週間分のお水やインスタントコーヒー、お茶、シャンプーなど基本的なアメニティは揃っています。
まぁ「一歩も部屋から出さない!」というプログラムなので当然といえば当然の事ですね。
サービスの差は3食メニューを「選べる or 選べない」です。
選べるホテルでは隔離終了日前日の夜にスペシャルディナーが出ることも多いようです。
選べないホテルはただ淡々と3食お弁当パックがお部屋に運ばれてきます。
この場合ほぼ3食全てタイご飯と思って間違いないでしょう。量は毎食十分にあり、少なすぎるということはありませんでした(個人的感想)。
タイご飯は好きだけど三食は厳しいという方はメニューを選べるホテルを選ぶと良いかもしれません。
お部屋に料理器具が付いている部屋を選んで簡単な調理をする、という方もおられました。
室内清掃のサービス、ランドリーサービス、屋外の散歩、スポーツジムの使用もホテルによって差があります。
値段が高いところはPCR検査一回目陰性であれば敷地内の散歩(時間制限あり)、ジムの利用、お部屋清掃が始まり、その後毎日お部屋清掃があったりします。
お値段安めでローカルになりますと、そもそも自分で散歩する場所が敷地内になくジムもないところがほとんどです。そうなると隔離期間が終わるまでずっと部屋にこもらなくてはいけません。
また清掃も一回めのPCR陰性確認後の一回だけ、ランドリーも有料とするローカルホテルが多かったです。
この辺りのサービスは各ホテルの概要に詳しく書かれていますので、よく考えて選ぶと快適な隔離生活になると思います。
= 10万ドル補償の海外医療保険 =
外国人がタイ入国に際して入らなくてはいけない保険があり、次の3つの条件が満たされている必要があります。
保険:3つの条件
- コロナ治療も含むと明記されているもの
- 治療費補償額が10万ドル以上であること
- 保障期間が滞在日数と合っているもの
私の見聞きした情報の中には「10万ドル補償の保険を一ヶ月ほど契約 ➡ 入国後にタイ国内で安い保険に切り替える」という計画の強者もおられましたが、実際のところそれでCOE(入国許可書)が出るかは賭けだと思います。
わたしがタイ渡航の準備していた時期は「東京海上」か「AIG」が長期の保険を扱っていました。
今はコロナ関係の保険が色々出ているようですので、予算に合わせた選択肢も広がりますね。
契約をしたら「10万ドル以上の治療補償があること」「コロナの治療にも対応していること」を明記した証明書(英文)を発行してもらいます。
長い道のりでした、でも…これでCOEの申請が可能になります!
③ COE(入国許可書)の申請
ビザ、航空チケット、ホテルの予約完了証明、そして保険の証明書が手に入りますと、ついにCOEの申請ができます。
これまでの準備に比べたらCOE申請方法は至って簡単。タイ大使館のホームページからオンラインで申請できます。
タイ大使館のホームページには最新の申請方法について次のように記載されています。
” タイ国籍を有しない方の2021年1月からタイ入国に関しては、入国許可書(Certificate of Entry)申請システム (https://coethailand.mfa.go.th/) からご申請ください”
申請フォームに記入し、航空チケット、ASQホテル予約完了書、10万ドル治療補償の保険証明書、パスポート写真、ビザページの写真をメールに添付して、申請完了になります。
「申請受け取りました」との返信が来ましたら、あとは申請許可書が送られてくるのを待ちます。
④ RTーPCR検査
メールにPDF が添付されてくる形でCOEが届きましたら、フライトの日に合わせてRTーPCR検査を受け、陰性証明(英文)を書いてもらいます。
必要な場合は同じタイミングで「Fit to Fly:健康証明書」(2021年4月時点では不要 )も準備しましょう。
RTーPCRは入国からさかのぼって72時間以内の検査である必要があります。
結果をもらってから72時間ではなく、検査をしてから72時間です。
ということは、木曜にフライト予定なら月曜に検査を受ける必要があります。
特に指定された医療機関はありませんが、検査は保険が効きませんので医療機関によって値段が変わります。
休診日や土日を挟むと結果をもらうのが遅くなることもありますので、この辺りは十分に出国予定日などを確認した上でよく計画されてください。
⑤出国です!
日本出国時に必要な書類は大使館ホームページをよくチェックされてください。
わたしが渡タイした時は、COE、パスポート、ビザ、ASQホテルの予約完了証明書、RTーPCR検査陰性証明書、Fit to Fly これらのコピーを取って持参する必要がありました。
飛行機搭乗時はもちろん、タイへ入国時にもう一度チェックされました。それほど大事な書類ということですね。
これを忘れたら出国できません。ここまでの苦労も水の泡なってしまいますから、決して準備のし忘れが無いようよくよく事前確認してくださいね!
ここまでがビザ取得~日本出国までの流れでした。
次回は、タイ入国後~隔離ホテルからの解放までをお伝えします。
この記録がタイを愛する皆さんの参考になれば嬉しいです。
ライター:Kotera
編集:Nobu
《この記事の続編》