私がそれを初めて目にしたのは約一カ月ほど前でした。
知人といったレストランで会計を待っていると、前にいた学生らしき男性がスマホの画面を店員に見せて何やらやっています。
「webマネーでの決済かな?」と思ったのですが、よく見るとその列にいる人全員(2-3人)がスマホで同じ画面を開いて待機しているではないですか。
ということで店員さんに「みんな何を見せてるんですか?」と聞いてみたところ、「コン ラ クルン」というサービスを使っていることが分かりました。
タイ政府が経済活性化の対策として打ち出したこの「コン ラ クルン」という制度が一体どんなものなのか、この記事で紹介していきたいと思います。
タイ政府の画期的な経済対策「コン ラ クルン」ってなに?
タイ政府の打ち出した経済活性化対策
冷え切った国内の経済状況を改善するために、タイ政府がこの10月からすすめている対策が「コン ラ クルン」です。
ちなみにタイ語では「คนละครึ่ง」と表記し、直訳すると「一人あたり半分」という意味になります。
この一カ月ほどタイ地元ニュースではずっとこの話題が報じられており、多くのユーザーがこの制度にポジティブな意見を述べています。
詳しい情報は以下のサイト(タイ語)から確認することもできます。
https://www.xn--42caj4e6bk1f5b1j.com/
どんな制度?
簡単に言うと、買い物の際に「コン ラ クルン」専用のアプリを通して決済すると、商品価格の50%を政府が代わりに払ってくれるというものです。
そしてもちろんお店側にはちゃんと商品金額の満額が支払われますので、売り手にも買い手にも嬉しい制度となっています。
お得に買えるから客側の購買意欲が増し、お客が増えるから店側もより良いサービスを提供できる、結果として経済が回るという素晴らしい循環を生み出しているようです。
この「コン ラ クルン」には以下のような条件が付くようです。
「コン ラ クルン」
- 適用期間は2020年10/23~12/31
- 割引率は50%固定
- 1人、1日に付き割引額150バーツ以内の利用まで
- この制度が適用されている全期間を通じて、割引利用限度額は3000バーツ以下
- 加盟店でのみ利用可能
- 利用人数の制限あり(70万人まで)
無制限に割り引かれるわけではないようですね。…まぁ、そりゃそうですよね。
利用には事前申し込みの必要があり、現時点ではおそらくタイ人のみ適用となるのではないかと思います。(クルンタイ銀行の口座があれば外国人でもいけるかも…)
支払いはすべて「เป๋าตัง」というアプリを通じてなされます。なので当然スマホが必須となります。
割引利用限度が150バーツ/日ということですが、これは300バーツまでの買い物が対象になるということでしょうか。
1人だと300バーツあればそれなりのものが食べたり買ったりできますね。
でもこの割引を適用させるために、一人一人がそれぞれレジに並ぶという現象が起きるかもしれません。
まとめ
この制度は実際にお金を使わないと、つまり買い物に行かないと恩恵を受けられませんので、給付金のようにもらって貯金に回されるということはなく、実際に経済が回る仕組みになっています。
また利用限度額が日常使いにちょうど良い金額ですので、より国民の生活に密着したサービスと言えるかとも思います。
私の周りにもこの制度を使っている人が多くいますが、みんな「助かる~」と言っています。素晴らしい経済活性化制度ですね。
ニュースを見るとネガティブな面が目立つタイですが、こういうポジティブな情報にも注目していきたいものです。
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