※2019/01 加筆修正しました
日本で「飲酒運転」となると重大な法律違反で、違反者は厳罰を受けることになります。
しかしタイでは飲酒運転の取り締まりに関して少しあやふやなところがあり、実際多くの人の持つ認識としては「酔っていなければ運転しても良い」というものです。そりゃ飲酒による事故が減らないのも当然ですよね。
実際、増え続ける飲酒運転に関する事態を重く見たタイ政府は今年に入って何度か法律の改正を承認しています。
今回のタイラボでは「タイではどこから飲酒運転と見なされるのか」「新しくなった飲酒運転に関する法律は以前と比べてどう変わったのか」をご説明したいと思います。要チェックですよ!
タイではどこからが飲酒運転?2017年 飲酒運転に関する法律が改正 どこがどう変わった?
法律の改正についてはこちらの動画が割と分かりやすく説明していました。
下記に詳しく説明していきたいと思います。
以前の飲酒運転に関する法律
上の動画によると昨年以前は次のような法律が定められていたようです。
飲酒運転で捕まった場合 → 1年以内の懲役、もしくは5,000〜20,000バーツの罰金。
飲酒運転で他の人を身体的、精神的に危険を負わせた場合 → 1〜5年の懲役、もしくは20,000〜100,000バーツの罰金。1年以上の免許停止、もしくは免許取り消し。
飲酒運転で重大な危険を引き起こした場合 → 2〜6年の懲役、もしくは40,000〜120,000バーツの罰金。2年以上の免許停止、もしくは免許取り消し。
飲酒運転で死亡事故を起こした場合 → 3〜6年の懲役、もしくは60,000〜200,000バーツの罰金。免許取り消し。
飲酒運転の取り締まり方法(検問)も次のように説明されていました。
「警察官は飲酒検問を行う権利を有しているが、アルコールを検出するための具体的な方法は決められていない」
ということは…どうやって調べていたんでしょうかね?感覚?
飲酒運転などで捕まった際に乗っていた車は一定の期間使用を禁止され特定の場所に保管されるという法律もあったようです。
では今年これらがどのように変わったのでしょうか。見ていきましょう。
変更点
分かりやすく変更点を赤色で表記していきたいと思います。
飲酒運転で捕まった場合 → 1年以内の懲役、もしくは10、000〜20,000バーツの罰金。その他の罰則が課せられる可能性もあり。
飲酒運転で他の人を身体的、精神的に危険を負わせた場合 → 1〜5年の懲役、もしくは20,000〜100,000バーツの罰金。1年以上の免許停止、もしくは免許取り消し。
飲酒運転で重大な危険を引き起こした場合 → 2〜6年の懲役、もしくは40,000〜120,000バーツの罰金。2年以上の免許停止、もしくは免許取り消し。
飲酒運転で死亡事故を起こした場合 → 3〜10年(動画内では「おそらく変わらない」と言っていますが他のサイトなどを調べてみると6年→10年に変わったとの情報が多く見られましたので変更しています)の懲役、もしくは60,000〜200,000バーツの罰金。免許取り消し。
「警察官は飲酒検問を行う権利を有しており、アルコールを検出するために呼気、尿、血液、その他の検査方法が用いられる」
飲酒運転などで捕まった際に乗っていた車は一定の期間使用を禁止され特定の場所に保管され、その際の費用を車の持ち主が支払わなければならない。
さらに次のような説明も付け加えられていました。
「交通違反に関する罰則金を支払わなかった場合、次回の自賠責更新などが出来ず免許停止になる」
日本の飲酒運転に関する法律に慣れている私たちからしたらこれでもまだ随分とゆるい気がするかもしれませんね。
ここでやはり気になるのが「タイではどこから飲酒運転と見なされるの?」ということかもしれません。では次にその点を見ていきましょう。
タイではどこからが飲酒運転?
私もこの記事を書きながら調べて初めて知ったのですが、タイでは血中アルコール濃度が50Mg/dL検出されると「飲酒運転」と見なされるようです。
ちなみに日本では血中アルコール濃度が、1ミリリットル中0.3ミリグラム、又は呼気1リットル中0.15ミmg以上のアルコール量が検出された場合「酒気帯び運転」となり罰則の対象になります。
タイの法律を日本に合わせて表記すると、1dL=100mlなので血中アルコール濃度が「1ミリリットル中0.5ミリグラム」で飲酒運転ということになります …この計算で合ってますよね?
何をどれだけ飲んだらその数値に届くのかは以下のサイトで調べることが出来ます。
https://www.suntory.co.jp/arp/alcohol_calculation/
体重にもよりますがビール350ml缶1本ならギリ届かずといったところでしょうか。
でも「酔い」に関してはその日の体調なども関係するので一概に言えませんけどね。
この点で2017年にちょっと変な法律改正がありました。それがこちら。
2017年3月28日にタイ政府は20歳未満、もしくは仮免許、免許不所持の人に限って血中アルコール濃度が20Mg/dLで「飲酒運転」と見なし罰則の対象になる法律を承認しました。
なお、20歳以上、免許所持者はこれまで通り50Mg/dLという数値が適用されるようです。
ソンクラーン(水かけ祭り)が近づき危険運転をする人が増えるのを見越しての法律改正のようですが、「条件付き」の法律に「?」と感じられる方も多いかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
こうやって記事をまとめてみて出た結論が「呑んだら乗らない」。これが一番安全でベターな気がします。
いずれにせよ、「郷に入りては郷に従え」ということわざもあるようにタイ滞在中はタイの法律によく通じておくことが大切と言えるでしょう。
国によって法律が違うのは当然ですが人の命が関わるところに関してはモラルやその人自身の考え方も大きく影響してくるのかもしれません。いつでも安全を気に留めておきたいですね。
この記事が皆さんの豊かなタイライフに少しでも貢献できれば幸いです。