少し前の記事でも書きましたが今回はタイ語で手紙を書く際の書き方やマナー、使える表現についてまとめていきたいと思います。
タイで手紙を出す際の料金や住所の書き方はこちらの記事をご覧ください↓
タイ語で手紙を書く際の書き方やマナー、使える表現
書き方、マナー
「タイでの手紙の書き方、マナー」と言っても日本のものとそう大きく変わるわけではありません。
「宛先情報 → 本文 → 差出人情報」という、基本となる書き方はほぼ同じです。
タイ語の中にも時候の挨拶や定型の導入文といったものが多少はあるのかもしれませんが、日本語のように長々とテンプレ式あいさつ文が続いているのはあまり見たことがありません。
よほどかしこまった手紙を書く以外は、軽い挨拶の後すぐ本題に入っても問題はないかと思います。
ただタイ語には「書き言葉」と「話し言葉」が存在しますので、公式な手紙を書く際にそこら辺をちゃんと使い分けていくならより綺麗で読みやすい文章となるでしょう。
と言われると…本当にたくさんあるのでコレって感じで説明するのは難しいですね。私自身まだ勉強中でもあります。
基本的に公式文書などで使われている丁寧な言葉、ちょっと固い表現と考えてもらって良いと思いますが、いくつか例を挙げると…
知る:รู้fa-arrow-circle-rightทราบ
父親:พ่อfa-arrow-circle-rightบิดา
母親:แม่fa-arrow-circle-rightมารดา
子供:ลูกfa-arrow-circle-rightบุตร
私:เราfa-arrow-circle-rightข้าพเจ้า
あなた:คุณfa-arrow-circle-rightท่าน
どうか(英 プリーズ):ขอfa-arrow-circle-rightกรุณา
こうして見ると「謙譲語(丁寧語)」が「書き言葉」と同じ定義として使われることが多いように感じます。
でも確かに手紙だと普通より丁寧で畏まった表現になると思いますので、そうなるのも道理にかなっているかと思います。
マナーという点では言葉選びが大切かもしれません。
特によく知らない人や目上の人物に手紙を書く場合、「คุณ:あなた」ではなく、「ท่าน」という二人称を使うのは相応しいことです。
ただあまりに固い表現ばかり使うとその手紙自体が無機質なもののような印象を与えてしまうかもしれませんので、内容に合った言葉選びができると良いでしょう。
親しい友人に宛てた手紙があまりに畏まっていてもなんか変ですよね。
もし可能ならタイ人の友人に出来上がった文章などを一度見てもらって、文面から受ける印象などを聞いてみるのも良いかもしれません。
使えるフレーズ
ここで手紙を書くにあたって使えるタイ語フレーズをいくつかご紹介しましょう。
書き始めの言葉
「นาย:ナーイ นาง:ナーンg」
これは手紙の宛名を書く際に使う「男女別に分けた敬称」で、英語で言うところの「Mr. Ms.」と一緒です。
日本語だと「○○様」となると思いますが、タイでは男性なら「นาย:ナーイ」、女性だと「นาง:ナーンg」を名前の前に付けます。
タイ語を勉強しておられる方なら男女両方に使える一般的な敬称「คุณ:クン(~さんの意味)」をご存知だと思いますが、この「ナーイ、ナーンg」のほうがより丁寧で敬意を込めた表現となります。
特に目上の人や見知らぬ人に手紙を書く際には、宛名欄でぜひこのタイ語表現を使うようにしましょう。
「เรียน........ที่เคารพ:リヤン......ティーカオロッp」
こちらのフレーズは手紙の書きだし部分に使うことができ、「.....」部分には相手の名前が入ります。
「เรียน:リヤン」でその後に続く文章が目上の人に向けたへりくだった文章の始まりとなり、「ที่เคารพ:ティーカオロッp」がその前に来る相手の名前に敬意を示しているニュアンスを含ませます。
日本語で言うなら「拝啓....様(殿)」とほぼ同意語になるかもしれません。かなり丁寧な書き出しの文句となります。
ですので友人やずっと歳下の相手に手紙を書く場合は「ถึงคุณ....:トゥンgクン....(....さんへの意味)」で書きだす方が良いでしょう。
実際に1歳でも年が違ってくるとほとんどの場合に年上年下を呼び分ける敬称が用いられます。
とはいえ相手がいくらか年下だとしても年齢以外の要素を考慮して、目上の人に対する敬称が用いられることもあります。
締めの言葉(書き終わり)
「ขอให้ดูแลสุขภาพดีๆ:コーハイドゥーレースカパーpディーディー」
これは本文の最後の部分に〆の言葉として使える表現で、「どうか健康にお過ごし下さい」「お体に気をつけて」「ご自愛ください」といったニュアンスのタイ語表現です。
友人から少し目上の人に対してまで幅広く使える表現となっています。こういった言葉が文末に一つあると手紙の温かさが増しますね。
この文章の前に「สุดท้ายี้:スッターイニー」と書いておくとさらに〆の言葉感が出ます。
ではずっと目上の人に対してだともっとふさわしい表現があるのでしょうか?タイ人の友人に聞いてみたところ次の二つの表現を教えてくれました。
①「ขอให้ประสบความสำเร็จในชีวิต:コーハイプラソッpクワーmサムレッtナイチ―ウィッt」
②「ขอให้ประสบกับสิ่งที่ดีๆ:コーハイプラソッpガッpシンgティーディーディー」
一つ目を直訳すると「どうぞ人生の中で成功を経験されますように」となり、二つ目は「どうか良いことがありますように」というニュアンスになります。
「ขอให้」の後に「あなた」という意味の「คุณ」や「ท่าน」を入れると、よりその人に向けた言葉となり個人的な感情が伝わりやすい表現となるでしょう。
「ด้วยความนับถืออย่างสูง:ドゥワイクワーmナッpトゥーヤーンgスーンg」
「ด้วยความเคารพอย่างสูง:ドゥワイクワーmカオロッpヤーンgスーンg」
どちらも手紙の最後に差出人の名前に沿えて書くことのできる文章で、日本語の「敬具」「敬白」と同じような受取人に敬意を表する「手紙の結語」として用いるタイ語表現です
かなり丁寧な表現になっていますので目上の人に宛てた手紙などで使えるでしょう。
もし友人宛てに書く手紙など、それほど畏まっていないけどマナーとしてこういった種類の表現を含めたい場合は「อย่างสูง」の部分を削って「ด้วยความนับถือ」だけで良いと思います。
※「นับถือ」と「เคารพ」の違いについては【関連記事】にある「尊敬、敬意、尊重」リスペクトを意味するタイ語という記事をご覧ください。
見本
上記した点を踏まえた簡単な手紙の見本例を作ってみました。田井愛夫(たい まなお)からマナーオ・サイアームさんへ宛てた手紙となっています。
目上の人に向けて書いた丁寧な文章例となっています。()内は友人宛ての手紙のような柔らかい表現例です。
適宜必要な個所で文末に「ครับ/ค่ะ」を付け丁寧な文章にしましょう。ただ全ての文章末に付けると野暮ったくなりますので気を付けてください。
まとめ
簡単にではありますがタイ語で手紙を書く方法とそのマナー、使えるフレーズをいくつかご紹介しました。
この機会にタイの友人に手紙で連絡を取ってみるのはいかがでしょうか?
もちろん書き方やマナーもとても大切なですが、やっぱり気持ちが大切なので完璧な文章でなくともきっと喜ばれると思います。
ビジネスで使う表現となると私の知らないもっと深いマナーや書き方があるかもしれませんので、他の情報と合わせてこの記事を一つの参考にしていただければと思います。
【関連記事】