麻生太郎財務相は5日、金融危機などで外貨不足に陥った国の通貨と引き換えに米ドルを供給する通貨交換(スワップ)協定をタイ、マレーシア両国と結ぶと表明した。危機時に円を引き出せる最大4兆円規模の新たな協定の創設も提案した。日本、中国、韓国や東南アジア諸国連合(ASEAN)が緊急時にドルを融通しあう「チェンマイ・イニシアチブ」に加えて、危機への備えを万全にする。
引用:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK05H0G_V00C17A5000000/
関係するところだけ簡単にまとめると、日本がタイと通貨交換協定を結んだというニュースです。
今後タイ移住組の我々にも少し影響が出て来るかもしれないので少し記事にまとめておきたいと思います。
日本がタイ・マレーシアと通貨交換(スワップ)協定結ぶと発表 どんな影響がある?
通貨交換(スワップ)協定って?
「なんか聞いたことありますがイマイチ意味を知らない」という方も多いのではないでしょうか?私もその一人です。
一夜漬けの浅知恵で申し訳ないのですが中学生にも分かるぐらいのレベルでこの通貨交換(スワップ)協定が何なのかを説明していきたいと思います。
まぁあんまり期待しないでくださいね。浅ーくしか知らないですし、十分理解しきれていないところもあるかもしれません。
この協定、一般的には「通貨スワップ」という表現でニュース内に取り上げられることが多いでしょう。これはわかりやすいですね。
そうです、通貨スワップ協定とは書いて字のごとく自国の通貨を相手国の通貨と交換/スワップ(swap)する協定のことです。
ですから今回の場合、自国(日本)の通貨(円)を相手国(タイ)の通貨(バーツ)と交換するということになります。
しかし協定を結んですぐに一定の金額を交換するわけではありません。
自分の国が通貨危機に陥った時に、前もって話し合って決めていた金額を同じくあらかじめ決めておいたレートで交換してもらえるということなんです。
ざっくり言うと「もし困った時はお互い決めたルールに従って助け合おうね」と前もって約束したようなものです。なので「協定」という言葉が使われているんですね。
ではどんな時にその「困った時」となるのでしょうか?
先ほど「通貨危機に陥った時」と説明ましたが、例えば自国の通貨の価値が極端に振れた時などがそれに該当するでしょう。
「円安」や「円高」という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。
ドルやユーロといった諸外国の通貨に対して円の価値が低くなったり高くなったりすることを示す言葉ですが、「円安、円高」どちらにもメリット、デメリットがあるにせよ過剰に円の価値が振れることは自国の通貨危機に繋がります。
「その時に」、つまりもし将来的に日本もしくはタイの通貨の価値が過剰に高くなったり低くなったりした場合、あらかじめ決めておいたレートで通貨を交換しそれを元手に自国の通貨価値を幾らか調整して経済破綻を免れようという仕組みです(なんだと思います)。
ざっくりとですが今回の通貨スワップの仕組みについて説明しました。
他にも「日本は一度「日本円」を「アメリカドル」に変えてから融通する」ことや「通貨スワップは各国の中央銀行が交わす協定であって国家間の協定ではない」というポイントもあるのですが、そこらへんをもう少し詳しく知りたい方は各自ググってください。
さてこの協定がこれからの日本ータイの関係にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
通貨スワップがもたらすかもしれない影響
過去に日本が韓国と通貨スワップ協定を結んでいたとき「円安ウォン高」に動いたことが注目できます。その時と同様、タイがドル建てで日本からの通貨交換を得た場合「円安バーツ高」に動くかもしれません。
というのも世界的に見てアメリカドルはもちろん、日本円の方がタイバーツよりはるかに価値や信頼度の点で上にいるからです。
バーツの通貨価値が世界基準で今どれほどなのかは詳しく知りませんが、アメリカドルやユーロ、イギリス・ポンド、スイス・フランと共に国際決済通貨とされている日本円に到底届くものではないと思われます。
それで、日本からバーツを交換して得たドル(世界的に見て高い価値を持つ)によって一時的にバーツの価値が高くなる、つまり「バーツ高」になるということが予測されます。
まず「タイでお仕事をしてそのお給料をタイバーツでもらっている人」は実質もらっている給料の額が増えることになります。
そのバーツでのお給料をタイ国内で全て消費しているなら変わりは無いことになりますが、もしもらったタイバーツを日本円へ両替しているなら実質もらえる額が増えることになります。少ないタイバーツで多くの日本円を得られるようになるのが「円安バーツ高」の動きだからです。
逆に旅行者にとっては少し辛い状況になります。タイで使うために日本から持ってきた円を両替してもこれまでより少ないバーツしか得られないからです。「以前は1万円で3,500バーツになっていたのに円安バーツ高のせいで3,000バーツにしかならなかった」といった感じです。これからのバーツの動きにも注意しておきたいですね。
この通貨スワップは中央銀行間の協定とはいえ幾らかの影響が国家間にもあると思います。
これは個人的な考えですが、言っても「協定」な訳ですから双方の国家間の関係に幾らかプラスの働きかけがあるんでは無いかと思っています。
そして淡い期待を寄せているのがそのプラスの働きかけで在タイ日本人のビザの発給や無料滞在期間などがもう少し緩くなってもらえれば…ということです。
実はその国に滞在するビザの条件や滞在可能期間は国と国の関係によって違ってきます。
例えば日本とタイではビザなし無料滞在期間は30日ですが韓国はビザなしで90日間も無料滞在できるんです。これは韓国がタイ人の受け入れを積極的に行なっているということも大きく関係していると思います。
まぁ期待でしかありませんが今回の日タイ通貨スワップ協定の結果、両国の関係が少しでも向上しお互いの国にもっと簡単に滞在できるようになれば良いかなぁなんて思っています。
まぁ政治的な事には口を挟みたくないので、現タイ在住者として淡〜い期待程度ですが。
まとめ
いかがでしたか?
今回発表された日本とタイの通貨スワップ協定の簡単な説明とそれがもたらすかもしれない影響の予想をまとめてみました。
あくまで「タイ在住者としてどんな影響があるか」という事なのでコンパクトな説明ですが参考にしていただければと思います。
いずれにせよタイに住みやすい変化ならいつでも「ยินดีต้อนรับ:インディートーンラップ(歓迎)」って感じです。
以上、「日本がタイ・マレーシアと通貨交換(スワップ)協定結ぶと発表 どんな影響がある?」でした。
タイ語マスターを目指す人はかゆいとこまで手の届くこちらの辞書を!