※2017/11 加筆修正しました。
タイ語にはそれぞれの立場によって変わる呼称が多く存在します。
例えば簡単なところで言うと、年上の人の場合、名前の前に「พี่:ピー」を付けて呼ばなければならないというものがあります。
この「พี่:ピー」というタイ語には「お兄さん、お姉さん」というニュアンスがあって年上の人に対する敬意のこもった呼称(敬称)です
。これらはタイの礼儀作法にも深く関わってきますのでぜひとも覚えておきたい点です。
「外国人だから‥」と多めに見てくれると思いますが、やはり「郷に入りては郷に従え」の精神を持ち合わせておきたいですよね。
今回のタイラボでは日常生活で使う敬称呼称の説明と、ややこしい親族内での呼び方を分かりやすく図解でご説明したいと思います。
これは永久保存版ですよ!
【永久保存版】ややこしいタイの呼称と親族内での呼び方を図解で分かりやすく説明します!!
親族以外の人に使う敬称呼称
まずは自分より年上の人に用いるものからですが、次のような呼び方があります。
พี่:ピー |
自分より年上(+10~15歳ぐらい)の人に使う
|
น้า:ナー | 自分より年上、でも自分の親より年下の男女両方に使う 「พี่:ピー」より敬意のこもった呼び方 |
ลุง:ルンg |
自分の親より年上の男性に使う
|
ป้า:パー | 自分の親より年上の女性に使う |
ตา:タ― |
自分の祖父ぐらいの年齢の男性に使う |
ยาย:ヤーイ | 自分の祖母ぐらいの年齢の女性に使う もしくは孫がいる女性に使う |
「何歳だからこの呼び方」というわけではなく、あくまで当事者から見ての基準となります。
ですので例えば私が30歳男性だとしたら、60歳代の男性を「ลุง:ルンg」と呼ぶことになるでしょう。
同じように10歳ぐらいの子どもは私のことを「ลุง:ルンg」もしくは「น้า:ナー」と呼ぶでしょう。
しかし私の経験上ですが、大人同士が「น้า:ナー」という敬称を使うのを聞いたことがありません。
もしかするとそこそこ年齢の若い人が年上の人に使う言葉なのかもしれません。大人同士は年齢が違っても敬意を払い合うものですからね。
年下や同年代の人を呼ぶときは基本的に名前だけで呼びます。しかし初対面の人をいきなり呼び捨てにするのはちょっとマナーに欠けるところがあります。
また年下でも敬意をこめて呼びたい場合もあるのではないでしょうか。そういった際には名前の前に「คุณ:クン」を付けて呼ぶことができます。
例えば私だと「クンNobu」というふうになります。英語で言う「Mr」や「Ms」、日本語の「さん」のような使い方です。
ただこの呼び方には敬意はこもっていますがどこか他人行儀なニュアンスも含まれておりちょっと距離のある呼称ですので、仲良くなってきたならぜひ名前で呼び合うよう意識できるかもしれません。
でもまぁ日本人にはちょっと不慣れな文化かもしれませんね。
「名前だけで呼ぶのは&呼ばれるのちょっと‥」という人には「ชื่อเล่น:チューレン」という日本とはちょっと違う「あだ名」の文化があります。
自分が呼んでもらいたいあだ名を決めて「チューレン コン ポム ○○」といった感じに自己紹介しておくと良いかもしれませんね。
続いて自分より年下に使う呼称です。これは表にまとめるほどでもありません。
ほとんどの場合「น้อง:ノーンg」という呼称でカバーできます(男女ともに使えます)。
例えば私がまだ10歳だとしたら年上の人からは「ノーンNobu」と呼ばれることになります。
しかしいくら年下でもいい年した大人を「ノーン」とは呼びません。そういう場合は前述したように呼び捨てで呼ぶことなります。
この「ノーン」は子供や若者、せいぜい使えて20代前半ぐらいまででしょうか。
他にも小さな男の子を「เด็กชาย:デッkチャーイ」、女の子を「เด็กหญิง:デッkイン」という呼称を付けて呼ぶことがあります。
しかしかなり畏(かしこ)まった言い方ですのでほとんどの場合は「ノーン」で良いかと思われます。
一部の地域では自分から見てお爺さんお婆さんぐらいの年齢の人を、敬意と愛着を込めて「พ่อ:ポー(お父さん)、แม่:メー(お母さん)」と呼ぶことがあります。
日本でも見られる敬称ですがとても素敵な表現ですね。
親族内での呼称
いわゆる「祖父、祖母、叔父、叔母‥」といった親族内での呼び方です。
タイでは父方か母方かで呼称に微妙な違いが出てきます。こちらは少しややこしいので図解にしてまとめてみました。
この図で自分自身は赤丸で囲った「夫、妻」の立場にいるものとしています。
表にもまとめますので上の図と合わせてご覧ください。
まずは自分から見て父方の親族です。
ปู่:プー | 父方の祖父 |
ย่า:ヤー | 父方の祖母 |
ป้า:パー | 父の姉(叔母) |
ลุง:ルンg |
父の兄(叔父)
|
อา:アー | 父の弟、妹(叔父叔母) |
次に母方の親族です。
ตา:ター |
母方の祖父
|
ยาย:ヤーイ | 母方の祖母 |
ป้า:パー | 母の姉(叔母) |
ลุง:ルンg | 母の兄(叔父) |
น้า:ナー | 母の弟、妹(叔父叔母) |
微妙に違ってきますね。
次に上の図に出てくる各呼称をご説明します。
พ่อ:ポー | 父 |
ลูกสาว:ルーkサーオ
|
娘 |
แม่:メー | 母 | หลาน:ラーン | 孫 |
สามี:サーミー | 夫 | พี่เขย:ピークーイ | 義兄 |
ภรรยา:パラヤー(パンヤー) | 妻 | พี่สะใภ:ピーサパイ | 義姉 |
พี่ชาย:ピーチャーイ | 兄 | น้องเขย:ノーンgクーイ | 義弟 |
พี่สาว:ピーサーオ | 姉 | น้องสะใภ:ノーンgサパイ | 義妹 |
น้องชาย:ノーンgチャーイ | 弟 | ลูกเขย:ルーkクーイ | 義理の息子 |
น้องสาว:ノーンgサーオ | 妹 | ลูกสะใภ:ルーkサパイ | 義理の娘 |
ลูกชาย:ルークチャーイ | 息子 | ญาติ:ヤーt | 親族 親戚 |
甥は「หลานชาย:ラーンチャーイ」姪は「หลานสาว:ラーンサーオ」です。
また「เขย:クーイ」は男性の義理の親族に、「สะใภ:サパイ」は女性の義理の親族に付く言葉であることも分かります。
まとめ
いかがでしたか?‥かなりややこしいと感じるのではないでしょうか?
でも大丈夫!よくよく見ると決まったセオリーがあって理解してしまえば簡単なパズルのようなものです。上の図をプリントアウトでもして見ていればすぐに覚えれるはずです。
またこうして見てみると、「親族以外の人に使う敬称」は「母方の親族の呼称」に沿っていることも見えてきます。面白い発見ですね。
覚えるまでは大変ですが、こうしたタイ語の敬称呼称を相応しく使い分けれるようになったら一人前のタイ在住者ですね。
きっとタイ人からも一目置かれることでしょう。私自身このまとめを作って非常に勉強になりました。
このタイラボの記事が皆さんとタイ人との良い人間関係に役立てば幸いです。