このタイラボを運営し始めて2年半が過ぎようとしています。
おかげさまで全記事数も500近くまで迫っており、ありがたいことに多くの方に読みに来ていただけています。
このタイラボが置かれた「旅行系ブログは伸びにくい」「ホテルや観光地、レストラン情報などのトレンド記事をあまり書いていない」「バンコクやチェンマイといった人気都市の情報が少ない」といった状況下では、まぁよくやっているほうではないでしょうか?
このブログは「wordpress:ワードプレス」という管理システムを使って書かれているのですが、ブログを書いている本人は「どの記事がどれだけ読まれたか」「どういった検索ワードで記事にたどり着いたか」を知ることができるようになっています。
そうした情報を合わせた結果、タイラボでコンスタントに読まれ続けているのは「タイ語」関連の記事だということが分かりました。
やっぱりタイに関心ある人たちの大きな関心事として「タイ語」は外せない要素なんですね。タイ語特化型ブログを名乗っている側としては嬉しい結果です。
ということでこれからもタイラボではタイ語学習に関連する記事に力を入れていきたいと思っているのですが、そうするにあたって一度ここで言語習得に関して私自身が見聞きし感じてきたことをまとめておきたいと思いました。
あくまで個人的な観察に基づくものですが、新たな言語を習得しようと真摯に向き合う方々と共感できる点もあるかと思いますのでご覧いただければと思います。
【語学留学&海外移住】外国語を習得するのに良い方法は?タイ語上達の秘訣
「言語学習」と「お風呂」の関係!?
あくまで個人的な意見ですが、言語の勉強で大切なのは「実際に使ってみる機会があること」、そして「その言語に囲まれた環境に身を置くこと」だと思います。
その点でよく聞くのは、言語習得はお風呂で体を温めるのに似ているという話です。
順を追ってご説明しましょう。どうぞ次の三つの方法を思い浮かべてください。
- 桶に入ったお湯
- シャワー
- バスタブ
身体を温めるという観点で考えたとして、皆さんはどの方法を選ぶでしょうか?
桶に入った温かいお湯をピチャピチャとかけているだけだと身体全体が温まるのには相当な時間がかかりますよね。
もちろん効率も良くありません。もしかすると身体の芯まで温めることは不可能かもしれません。
シャワーを浴びるだけだとどうでしょうか?手軽な方法ですし桶に入ったお湯をかけるだけよりはずいぶんと効率が良くなります。
しかし身体の芯まで温めるにはやはりかなりの時間が掛かってしまいます。
しかし、なみなみとお湯を張ったバスタブに浸かるならどうでしょうか?日本人ならすぐにイメージすることができるでしょう。
身体の全体が温かいお湯に浸かるならすぐに温まり、その温度は素早く体の内側まで浸透していきます。
そしてそれにかかる時間は桶に入ったお湯やシャワーを浴びるだけとは比べものになりません。
この三つの状況がそれぞれ言語学習に当てはまります。
「桶に入ったお湯」
まず、「桶に入った温かいお湯を身体にかけている」だけという一つ目の状況、これは「習得したい言語が話されていない国で独学で勉強している」状況に相当します。多くの言語習得のスタートはここから始まるのではないでしょうか?
例えば日本国内でタイ語に関する本や参考書、動画などを見て独自で勉強している状況がちょうどそれに当てはまるかもしれません。
本を読んで文法や単語を覚えたりすることもこの段階に含まれると思います。
新たな外国語を勉強しようとする姿勢は本当に素晴らしいですよね。ただ効率が良いか?実際的な方法か?といえば「そうではない」と言わざるを得ません。
残念ながらその方法だけを続けていてもその外国語をマスターできる日は来ないと思います。
かと言ってこの段階がまったく無駄かというとそんなことは決してありません。その点については後ほど触れます。
「シャワー」
続いて、「シャワーを浴びる」といった二つ目の状況、これは「習得したい言語が話されていない国にいるけど、その言語に熟達した人(できればネイティブ)と触れ合える環境にある」といった状況に相当します。
日本にいるけどタイ語スクールに通ったり、タイ人と触れ合える状況でタイ語の勉強をしている人が該当すると思います。
言語を習得するという点で見ると一つ目の状況と大きく違ってきます。
というのも多くの言語は単語や文法だけでなく声調や発音方法、中には顔の表情や身体の動きまでが関係することがあるからです。
そういったポイントを紙面や一方的な情報から読み取るのは非常に難しいでしょう。
リアルタイムで疑問に思った点を尋ねることができ、それ教えてくれる人が近くにいるというのが言語学習において大きなポイントになってくるかと思います。
またタイ語などの声調言語は「耳を作る時間」というものが必要になってきます。
簡単に言うとその言語を聞き取れるようになるということなのですが、そのためにはやはりネイティブとの会話は大きなステップになるでしょう。
ですから「日本にいるけど特定の言語スクールに通ったり、お目当ての国の人と触れ合える状況で勉強をしている」という環境さえあれば、その言語をある程度習得できるとも言えます。
しかし「シャワー」と「バスタブ」の間にある圧倒的な「水量の差」に該当するもの、つまりその言語のネイティブ(人や文化など)と触れ合うことができる機会の差によって、習得するまでにかかる時間や効率は大きく違ってくるでしょう。
「バスタブ」
ここまで考えると「なみなみとお湯を張ったバスタブに浸かる」という三つ目の状況が何に相当するか予想できた人も多いと思いでしょう。
そうです、「習得したい言語が話されている国で実際に生活する」ということです。
ここで改めて言っておきますが、この記事の内容はすべて個人的な考えですし海外移住生活を推奨したり自慢するものではありません。
言語習得という観点から見たいくつかのポイントを共有できればというのが主な目的です。
話を戻しましょう。ある国に移住する、もしくは長期滞在するとその国の言語だけでなく文化や人々の考え方にどっぷり浸かって生活することになります。
もちろん本人のやる気次第なのとどういう環境に身を置くかによって違ってくるのですが、寝ても覚めてもタイ語ばかりが話されている国で生活していれば自然とタイ語耳ができやすくなります。
どこを見てもタイ語の看板ばかりなら早い段階でタイ語を文字として見ることができるようになります。
あの象形文字みたいなのが一つでもアルファベットに見えてくれば仕上がってきている証拠です。
また「言語」と「文化」は深く関係し合っています。
日本には「魚へん」の付くたくさんの漢字がありますよね。
それぞれの魚の種類に該当する漢字があるのは、日本が島国で漁業を一つの大切な文化としてきたことと関連しているのかもしれません。
同じようにタイにもある種の言葉が細かく存在していることがあります。
例えば「พี่:ピー」や「น้อง:ノーン」といった敬称呼称は事細かく細分化されています。これはもしかするとタイ人が立場や年齢の差を重要視しているということを示すものなのかもしれません。
こういった点を考えると、その国の「文化」に触れることによってその「言語」をより深く理解できると言えるでしょう。
先ほども述べましたがネイティブと触れ合える環境にどれだけどっぷり浸かれるかが言語学習において重要なポイントになってきます。そしてそれだけ早く正確に言語を習得できることにもなります。
そういった意味では以前に書いたこちらの記事も真実味を帯びてきます。
以上の理由で言語習得はお風呂で体を温めるのに似ているという話は「本当にそうだなぁ」と感じています。
言語留学ーどれぐらいの期間すればいい?
じゃあどれぐらいその国で生活すればいいの?と疑問に思う人もいるかもしれません。
これも独自の考えですが、よく聞くのは「3」が付く期間がそれぞれ節目になるという話です。
「3」が付く期間、つまり「3日」「3週間」「3か月」「3年」がそれぞれ節目になるそうです。
私の経験上では以下のような感じでした。
「3日経過」:疲れが出てきた=張りつめてた気が緩んできた?
「3週間経過」:その地での生活になんとなく慣れてきた。
「3か月経過」:その地での生活の良い点と悪い点、必要なものとそうでないものが見えてきた。
「3年経過」その地での生活が日常になってきた。言語のストレスがグッと減った。
もし「3年」も居られれば言語面ではかなり成長することでしょう。もちろん挑戦する言語にもよりますし年齢なども関係してきます。
若い人が意欲的にその国の文化に飛び込んで挑戦するなら1年でもかなりの成果を得られることでしょう。
逆にもし日本人コミュニティの中だけで生活し、海外にいても日本語しかしゃべらない環境に身を置いているなら、何年経っても言語面での成長は期待できないかもしれませんね。
上記した情報を参考にするなら、少なくとも3か月間以上海外生活をすると「言語を学ぶ」という点で何かをつかめるかもしれません。
しかし忙しい生活の中で長い期間の海外渡航は難しいというのが一般的な状況かもしれません。
「短い期間の海外滞在でもっと効率よく言語を習得できれば…」と思われるのではないでしょうか?
もう一度お風呂で例えるなら、少ない時間で素早く体を温められる「入浴剤」に相当するものが言語習得の分野にもあるんです。
いわゆる「バブ」みたいなものですね。最後にそれが何なのか見ていきましょう。
「入浴剤」
先ほど、「言語習得はお風呂で体を温めるのに似ている」という話の中で、「桶に入った温かいお湯を身体にかけている」だけという一つ目の状況を説明したのを思い出してください。
それは「習得したい言語が話されていない国で独学で勉強している」状況に相当するということでした。
そうしているだけでは言語を習得するのはまず不可能だと言いましたが、その最後の部分で「かと言ってこの段階がまったく無駄かというとそんなことは決してありません」とも言いました。
ここがポイントです。そしてこれが「入浴剤」です。
よく分からないながらでも参考書などから得られるその言語の基本となる知識を詰め込んでおくと、どこかのタイミングで状況がかみ合うと閃くように理解できることがあるんです。
実際、私がそうでした。
最初に独学でタイ語を勉強し始めたとき、わけもわからずコーカイ表(タイ語のアルファベット)を覚えました。
その時点では正しい発音も分からず、ただただカタカナ表記に直したものを復唱するだけでした。
コーカイ表には各文字の横に該当する絵が描かれているのですがその意味もよく分かっていませんでした。こんな感じ↓
ほどなくしてそれぞれ文字に関連した物や動物が割り振られていることを理解したのですが、それでもいまいちピンときていませんでした。
しかしタイに移住して数週間経った頃、タイ人の一人が葉っぱを指して「バイマーイ」と言ったとき「บ.ใบไม้:ボー・バイマーイ」がストンと心に落ち、それ以来「葉っぱ=バイマーイ」というのを忘れないようになりました。
「ホー・ノックフー」のときも頭の中で衝撃的な繋がり方をしたのを覚えています。
そう考えるとコーカイ表をイメージとして覚えるだけでも42ものタイ単語を覚えることができることになります。(いまだに「トー・モントー」だけはよく分かりませんが…)
他にもタイ語には「中子音」「高子音」「低子音」という三つの種類があるのですが、それらもよく分からなくてもそのグループ分けを丸暗記しておくなら声調表を学び始めたときに効果を発揮するでしょう。
勉強をし始めてすぐは「二重頭子音ってなんぞい!!」と思われるかもしれません。
でも大丈夫。それに該当する単語を知ったときストンッと理解できると思います。
それができ始めるとその他の二重頭子音を含む単語が何となく読めるようになってくるでしょう。
コツコツと積み上げてきたものがいつか開花するなんてスポ根漫画みたいで素敵ですね。
いまは日本で独学するしかないという状況にある皆さん、着々と「バブ」を蓄えていると思ってどうぞあきらめないでください。
その時間がいつか状況が整ったときに言語を学ぶ上での大きなステップとなってくれるでしょう。
まとめ
今回は言語を学ぶという点で私がこれまで経験してきたことや見聞きしてきたことを記事にまとめさせてもらいました。
これから新たな言語を学ぼうとしている人、海外移住生活を始めるにあたって不安を感じている人の参考に少しでもなれば幸いです。
タイラボはこれからも「タイ語特化型ブログ」としての記事もたくさん書いていければと思っています。
今更ですが「バブ」のようなタイ語基礎情報なんかもまとめていきたいと思います。
それでもしタイ語やタイでの移住生活に興味がある方がいましたら、ぜひブックマークをして更新情報を受け取れるようになさってください。
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ではタイラボをこれからもよろしくお願いいたします。