タイに長期滞在する人たちにとって、いつも頭の片隅にビザの問題があるのではないでしょうか?
現時点で誰でも取得できる観光ビザも、ダブルビザが廃止されて以来、すっかり更新のために費用や手間がかさむものとなってしまいました。
そのうえパスポート内にビザの貼られたページが増えてくると取得すること自体が難しくなってきます。
こういった状況からある人たちは「タイで仕事をする」、「語学学校に通う」という選択肢を考え始めるかもしれません。
そうすると、就労ビザ(ノンイミグラントB)や留学ビザ(ノンイミグラントED)を取ることが出来るからです。
しかしそうした選択肢も住んでいる場所によってはなかなか難しい場合があります。
例えばわたしのようなタイの田舎住みだと雇ってくれる企業も、通える学校もそれ自体が近くにありません。(以前は他県にある語学学校に入学し、週一ぐらいで通って学生ビザを取ることもできていたようですが、今はかなり厳しくなり出来なくなっているようです)
またビザ取得のために週の大半を会社や学校に縛られるのは嫌だという人もいるかもしれませんね。
そうなると、多く人が行きつくのが「タイの学校で日本語を教える」という方法です。ある程度のタイ語が出来れば教えられますし、働くのは週に1日や2日だけで良いという学校も多いからです。
しかしある人にとってはここでもまた壁が立ちはだかります。それが何かというとタイで語学教師として働く場合「大学を卒業している」という資格が必要だということです。
さて前置きが長くなりましたが、やっと本題に入ります。
「大学を卒業していないと日本語教師になれないのでしょうか?」
答えは 可能 です。実は、ちゃんと法律に則った方法があるんです。
では一体どのようにでしょうか?何が必要?気になるその手順をご紹介したいと思います。
ビザ取得に関心がある人はもちろん、「タイで日本語教師」というのに関心がある方も、ぜひこの記事を参考になさってみてください。
※この方法も結果を保証するものではありません。多くの場合学校側がどれだけ協力してくれるかにかかってきます。
大学を卒業していなくてもノンイミグラント-B (教師)を取得する方法
「大卒じゃないのに教師に」どうやって?
この「大卒ではない人も日本語教師になれる」というのには次の一文が加えられます。
「ただし、アシスタント教師(วิทยากรพิเศษ)、もしくはボランティア教師(ครู่อาสาสมัคร)として」
「วิทยากรพิเศษ:ウィッタヤーゴン ピセー(ト)」
英訳すると「Special guest speaker」となるようです。
直訳すると「ゲスト講師」でしょうか?ここでは、「アシスタント教師」と呼ぶことにしたいと思います。こちらは学校との話し合いによりますが、いくらかの給料を受け取って働くことになります。
「ครู่อาสาสมัคร:クルー アーサーサマッ(ク)」
こちらは「ボランティア教師」のことです。「ครู่:クルー」が「教師」、「อาสาสมัคร: アーサーサマッ(ク)」が「ボランティア」を意味します。こちらはボランティア、つまり無償で働くことになります。
なぜこの2つの立場でなら大卒資格が必要ないかというと、日本で言うところの「教育委員会」、タイでは「คุรุสภา:クルッサパー」と呼ばれる機関が、アシスタント教師(วิทยากรพิเศษ)もしくはボランティア教師(ครู่อาสาสมัคร)には教員証明書は必要ないと公表しているからなんです。
クルッサパー公式ホームページ:http://www.ksp.or.th/ksp2013/home/index.php
ということで、この2種類の立場でなら大卒資格がなくても日本語教師になることが出来るんです。
もちろんアシスタントでもボランティアでも、教師として学校で教えるには就労ビザとワークパーミット(労働許可証)の取得義務が生じます。
これがないと不法就労になってしまいますね。(ボランティア教師の場合はボランティアビザになります。無償で働くにせよワークパミット、もしくはボランティア許可証の取得が必要になります)
少しまとめますと、「アシスタント教師」、もしくは「ボランティア教師」という形で、大卒でなくともタイで日本語教師としてビザとワークパミットを取得することが出来るということになります。
では次にその手順を見ていきましょう。
手順
上記の立場で語学教師として働く場合、次のような手順を踏むことになります。
① 働かせてくれる学校を探す
↓
② 「ผอ.:ポーオー」(校長)と話し、契約する
↓
③ 必要書類を用意してもらう
↓
④ ビザとワークパミットを取得
文字にするとすごくシンプルで簡単な手順に見えますが、タイ滞在が長い人だとこの4つの手順にどれだけの時間と手間がかかるかを想像できるでしょう。
友人から聞いた話や自身の経験上からすると、「② 「ผอ.:ポーオー」(校長)と話し、契約する」の段階まで進めれば、かなりビザ取得まで近づいたと考えて良いかと思います。
学校探しのポイント
何はともあれ、まずは大卒資格がなくとも「アシスタント教師」もしくは「ボランティア教師」として働かせてもらえる学校を探さなければなりません。
ここは「数打ちゃ当たる」という気持ちで、とりあえず目ぼしい学校を手当たり次第に突撃訪問します。
そして受付などで「アシスタント教師 or ボランティア教師の件で「ผอ.:ポーオー」とお話ししたいんですが」と言いましょう。実はここが学校探しでとても大切なポイントなんです。
日本ではいきなり校長先生に直談判するなんてなかなか考えられないことですよね。
でもなぜこれが大切なポイントかと言いますと、他の先生方がいくら「うちで働いて欲しい」といっても校長が一言「いらない」といえばそれでお終いだからです。
逆に校長以外の先生たちが「うちは今必要ないから」と言っていても、校長が一言「いいよ」と言えばそれで通ってしまいます。
タイの学校では校長先生がかなりの権力を持っていることが分かりますね。
しかも学校によっては以外と簡単に校長室まで通してくれ、話を聞いてもらうことができます。なのでできる限り最短距離で話を詰めていくと良いでしょう。
もちろん、校長以外の先生がまず話を聞くとなっても、それ自体はよくある対応なので快く応じましょう。
もう1つだけ、とても大切なポイントに触れておきたいと思います。
タイの学校側の多くは、大卒資格がなくとも教師として働けるこのシステムをあまり把握していません。なので「大卒じゃなきゃダメ」との一点張りのところが多いのも事実です。
ではそういった場合どうしたら良いのでしょうか?
その際には一度クルッサパーへ足を運び、「アシスタント教師 or ボランティア教師」として働くには大卒資格が必要ではないということを証明する書類を作ってもらうと良いでしょう。
各県のクルッサパー所在地は下記ホームページより検索できます。
http://site.ksp.or.th/index.php
まとめ
いかがだったでしょうか。
「大学を卒業していなくてもノンイミグラント-B (教師)を取得する方法」と題して紹介記事を書いてきました。
少し長くなってしまったので、また後日「アシスタント教師 or ボランティア教師」として受け入れてくれる学校が見つかった後どういった手順を踏んでいけば良いのかをまとめたいと思います。
今回の記事は日本からタイの旅行情報を探してこのブログに行き着いた人からすると「???」な情報かもしれませんね。
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※こちらの情報がタイの全ての県で同じく適用されるかは分かりません。多くの場合関係する担当者の判断にかかってきます。あくまで「参考」程度にご覧ください。