タイが「常夏の国」と呼ばれているせいか、話を聞いているとその「暑い」気候が一年中続くと思っている人が多いようです。
じつはそうではないんです。タイにも「四季」とまではいきませんが幾つかの季節がありかなり気候も変わってきます。
この記事ではタイにはどんな季節があるのか、それぞれの季節の注意点、また我々日本人が旅行に行くのにおすすめのシーズンなどを取り上げたいと思います。
※この記事は2016年9月に書いた記事を加筆修正したものです
タイの季節と気候 各季節の注意すべき点+旅行におすすめのシーズンまとめ
大きく分けるとタイには以下に紹介する3つの季節があります。
暑季(3月~5月)
誰もがイメージするタイの代表的な季節ですね。しかしタイの暑季(夏)と呼ばれる季節自体はそこまで長くありません。主に3月~5月までがタイで最も暑いとされる季節です。
タイ語では「ฤดูร้อน :ルドゥーローン」 と言います。
「ルドゥー」=「季節」 「ローン」=「暑い、熱い」
という意味です。
この時期になると日中の気温が40℃を超える日も多くなり外出を控えたほうが良い状況も出てきます。
以前このタイラボの別の記事内でも紹介したことのある画像ですが、タイの暑季に温度計を日向に置いておくとこのような数字をはじき出します。
もちろん体感温度や全体的な気温はこんなに高温ではありませんが40℃を超える日が続くのがタイの暑季です。
朝起きた時点ですでに36℃という時もあり、暑さに慣れていない人にとってはクーラーが必須となってくるでしょう。
そんな時は無理をせずにできるだけ屋内に留まるほうが良いかもしれませんね。またどうしても外出しなければいけない場合、紫外線対策を忘れないようにしましょう。
「長袖+日傘+サングラス」、この三点セットがタイの夏にはマストアイテムといえるかもしれません。とりわけ女性であれば日傘は遮光&UVカット率が高いものを選びましょう。
ギラギラと光る太陽に東南アジアの熱気+風景、テンションが上がって当然のシチュエーションですが、時には自分の限界を考慮に入れて慎ましく行動するほうが良いかもしれませんね。
しかし後ほど触れますが、色とりどりで様々な種類のタイ産フルーツを楽しめるのもこの時期です。
雨季(6月~10月)
こちらも東南アジアっぽい気候です。タイ語では「ฤดูฝน:ルドゥーフォン」と言います。「フォン」=「雨」という意味ですね。
日本の梅雨とは違い一日のある時間帯にものすごい勢いで雨が降りピタッと止む、いわゆるスコールというものですがそんな感じの気候が約5ケ月続きます。
時には10メートル先で雨が降っているのに自分が居るところはまだ降っていないという「雨の境目」を見ることもできます。
「突然のスコールに見舞われて‥」なんて人生で一度は言ってみたいと思いませんか?なんだか「ゲリラ豪雨」にはないロマンチックな響きがあるように感じます。
しかも雨が降っていないときの空の美しさは1年を通してもこの季節が一番だと思います。雨によって空気が綺麗になっているんでしょうか?
しかしこの雨季も長く続くと洪水を引き起こす危険性があり、実際2011年には首都バンコクや日本企業の多くが進出しているアユタヤ県が洪水によって大きなダメージを受けました。
そして今年(2017年)もバンコクを筆頭に大雨による洪水、冠水が頻発しています。
また洪水とまではいかなくとも外出中にスコールに遭うと立ち往生してしまうことがあります。特に生活の足を徒歩や自転車、バイクにしている方にとってこの雨季は厄介な季節になるかもしれません。
そこで必需品となってくるのが「レインコート」です。
タイでもレインコートを売っていますがあまり丈夫ではなく結局中に水が入ってきてしまうことが多々ありますので、コンパクトに収納でき丈夫でしっかりしたものを一つ日本から買ってきておくと良いかもしれませんね。
また、この時期に特に注意すべきなのは「デング熱」です。蚊を媒介として伝染するデング熱がタイで流行するのはだいたい雨季の半ば頃だと聞いたことがあります。
発症すると40度を超す高熱が一週間ほど続き、症状が悪化するとデング出血熱という致死率のより高い病気へと変わります(デング熱は致死率5%、デング出血熱で10%と言われていますが、どちらも体力の少ない子供やお年寄りが大半を占めているようです)。
しかし治療薬はまだ無く、解熱剤を飲み水分補給を怠らないという対処法しかありません。ですからタイの雨季には特に蚊対策を怠らないようしましょう。
実は私もデング熱にかかったことがあるのですが高熱が一週間続き、非常にしんどい思いをしました。もう2度とかかりたくないです‥
タイにも蚊よけスプレーやクリームが売られていますが、タイ語を読めないとどれが本当に効き目があるのか分かりにくいと思いますので日本から持っていくほうが手軽で安心かもしれませんね。
寒季(乾季)(11月~2月)
タイ語で 「ฤดูหนาว :ルドゥーナーオ」と言います。
「ナーオ」=「寒い」
タイにも冬があると聞いて驚かれる方は少なくありません。もちろん日本の冬ほど冷え込むわけではありませんがそれでも場所によっては10℃を下回るところもあります。
それほど寒くなるのは12月~1月に掛けてですがその前後もやはり肌寒く感じる時があるでしょう。特に朝早くバイクに乗ったりするとダウンジャケットがあっても寒いぐらいです。
ですからタイに長く滞在する人はしっかりした防寒具を1枚持っていたほうが良いかもしれません。
またタイの家(特に一軒家)は日本の家ほど寒さ対策がなされていませんので何かお手軽な暖房器具があるとよいかもしれませんね。
またこの時期に田舎の地方に行くとやたらと屋外で焚き火をしている風景に出くわすのですが、それがなんとも雰囲気が良く懐かしい気分に浸れます。
暖房機器をあまり売っていないタイで暖を取るには焚き火がお手軽な方法なので「自分もやってみたい」という気持ちになるかもしれませんが、この時期は「乾季」つまり雨が降らない時期でもあり空気がとても乾燥しているということを忘れないようにしましょう。
もし自分で焚き火をすることがあれば火の後始末には充分気を付けましょう。
しかしこのタイの冬の季節ならではの雰囲気もあります。特にタイ北部に近づくほど山が多くなり冬の季節には「雲海」などを見ることができます。
またタイ北部の主要都市チェンマイは山に囲まれた「古都」と呼ばれる独特な雰囲気を持つ街で冬の季節がとても似合うと思います。なんと温泉もありますよ!
タイ旅行におすすめの季節は?
ではこうしたタイの各季節を考慮に入れ、いつタイに来るのにおすすめシーズンと言えるでしょうか?
個人的な意見ですが、「旅行」でタイに来るならルドゥーローンがおすすめです。
この時期は別名「ルドゥーポラマーイ:果物の季節」と呼ばれるほどたくさんのフルーツが採れる時期でもあるからです。
マンゴーにマンゴスチン、ランブータンにドリアン、パパイヤ、ライチなどなど色とりどりの美味しいフルーツを一度に味わえる季節です。
旬の時期ですのでフルーツの値段もぐっと下がります。
それにせっかくタイに来るなら東南アジアならではの猛烈な暑さを経験するのもありですよね。前もって対策しておくなら充分にタイの暑さを楽しめると思いますよ。
タイの北部や各地の遺跡などを見て回りたいという方にはルドゥーナーオ(11-2月)がおすすめかもしれません。
屋外を歩き回っても疲れにくいですし何とも言えない雰囲気のある季節だからです。日中だと日本の春先のような気候で非常に過ごしやすいです。
「できるだけ安く旅行したい!」という方にはルドゥーフォン(6-10月)がおすすめです。
特にタイ南部の海が観光地となっている都市や島ではガクッと宿泊費が下がるのがこの季節です。
本来だと〇万円もする高級リゾートホテルが〇千円で泊まれてしまうことがあるのもこのシーズンです。ただ一日中雨が降っていてどこにも行けないなんてこともあり得ます。
上記を参考にして旅行の目的に応じてタイに来るシーズンを選んでみると良いかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?こうして考えてみるとタイもそれほど常夏の国ではないように感じてきますね。
はっきり特色のある季節がありそれぞれに応じた楽しみ方ができると思います。詰まるところタイはいつ来ても最高の観光地だと思います。
この記事が皆さんの素敵なタイ旅行に少しでも貢献できれば嬉しいです。