多くのタイ人は漢方に関心を持っており、健康維持のために日常的に使用している人も多くいます。
日本もそうですが、やはり身体への影響も考慮して東洋医学を好まれる方が多い印象です。
このコロナ禍でタイ人たちがこぞってある一つの漢方の名前をよく口にしていることに気が付きました。なんでも新型コロナに効くとかなんとか…
今日はそのタイ人御用達の最強漢方「ファータラーイジョーン」をご紹介したいと思います。
新型コロナに効く…?タイ人が常備する最強漢方「ファータラーイジョーン」
「漢方」をタイ語で何ていう?
いつでもタイ語を学ぶ目線を忘れないそんなタイラボらしく、まずは「漢方」をタイ語で何というかを短く説明しておきましょう。
「漢方、生薬、ハーブ全般」=「สมุนไพร:サムンプライ」
発音に関してですが、「プライ」とハッキリ発音するのではなく「サムンパイ」と言っているように聞こえる感じです。
しかし「パイ」とハッキリ言ってしまうとまた違った発音になってしまうので、「プライ」を早く発音するイメージで良いかと思います。
発音チェックfa-volume-up
Google翻訳では結構ハッキリと「プライ」って言ってますね…。
「ファータラーイジョーン」
さて本題の最強漢方「ファータラーイジョーン」についてですが、こちらもタイ語表記を見ておくならお店で探すときに役立つかもしれません。
「ฟ้าทะลายโจร:ファー タラーイ ジョーン」
少し長い名前ですが、覚えてしまえばそこまで複雑な発音ではありません。
見た目はこんな感じです。
爽やかな薄緑色をした直径1センチ弱の錠剤です。
別のブランドだとカプセル状のものもあるようですね。あの「アパイプーベ」からも販売されています。
日本やその他の国ではセンシンレン、アンドログラフィス(Andrographolide)、サンビロートと呼ばれる植物から作られているようです。
センシンレン(穿心蓮)、アンドログラフィス・パニクラータとは、キツネノマゴ科の一年生植物であり、インド、スリランカ原生のハーブ。サンビロートと呼ばれることもある。
センシンレンは高さ20cm-1mくらいまでの中型の1年草で、東南アジアから中国にかけて広く分布する。茎の先端に円錐状の花序を付けてたくさんの花を咲かせる。花の直径は約1cmで、白色に赤紫色の斑点がつく。 果実は長さ2cmくらいの朔果で、中には10個ほどの橙色の種子が入っている。
南アジア・東南アジアにおいて広く栽培されており、伝統的に感染症やいくつかの疾患治療として使われてきた。主に根や葉が薬用として用いられ、いくつかの場合では植物全体が用いられる。
タイでは風邪の治療などに「ファータライチョン」として利用され、インドネシアでは強壮薬として「ジャムー」と呼ばれる民間の薬用ドリンクに加えられている。インドや中国では風邪や肺炎、毒蛇の咬傷など様々な病気の治療に使われている。インド伝統的医学であるアーユルヴェーダでもセンシンレンは頻繁に利用されている。
引用元:Wikipedia
効果効能、使用上の注意
上に挙げたウィキペディアの情報にも書かれていますが、タイでは風邪の治療の際に用いられることが多いようです。
友人のタイ人も「熱やのどが痛いときに飲むとよく効く」と言っていました。
今家にあるもののボトルにも「เป็นยาที่ผลิดจากสมุนไพร เป็นยาแก้ไข้」と書かれており、「漢方、ハーブ由来の薬で、解熱効果がある」と説明されていました。
服用方法は「食後に3錠ずつ、一日に3度」と書かれていました。なので日に9錠…けっこう多いですね。
とはいえこれはこのブランドの服用頻度だと思いますので、ご自身で買われた際にはそのブランドの服用指示に従ってください。
「室温での保存」ができるようです。
いくつか使用上の注意が記載されていました。日本語に訳すと以下のような内容が書かれています。
使用上の注意
- 妊娠中、授乳中の女性は使用しないこと
- 過去に「ファータラーイジョーン」を使って「湿疹、口目顔の腫れなど」の反応が出たことのある人は使用しないこと
- もしこの薬を使って上記の症状が出た場合はすぐに使用を止め、医者に相談すること
- この薬を服用し3日以上経っても症状が改善しない場合、又は悪化する場合はすぐに使用を止め、医者に相談すること
- もし長くこの薬を使用し続けるなら、「手足のだるさ」という症状が出るかもしれない
どうやら漢方とはいえ、だれでも気軽に好きなだけ服用できるものではなく、ある程度の強い効能を持つもののようです。
タイ人の友人も「健康のために毎日飲むものじゃなくて、熱や喉の痛みが出たときだけに飲むもの」と言っていました。
とはいえ多くのタイ人が家に常備しているのを見ると、それだけよく効く信頼を勝ち得た薬なのでしょう。
コロナには効くのか?
ここまでこの記事を読んで「結局のところこのファータラーイジョーンはコロナに効くの?」と、そこに関心がおありの方も多いかもしれません。
結論から言いますと…まだ分かりません。
様々な医療関係者がこの「ファータラーイジョーン」の可能性を巡って研究を進めており、実際に良い結果が出ているものもあるようです。
「ファータラーイジョーン」がコロナ患者の肺炎の症状を抑える効能があるという研究結果も発表されていましたが、その検証数の不十分さからひとまずその結果は撤回となっているようです。
とはいえタイの医学研究チームは「ファータラーイジョーン」の持つ可能性にかなり期待を寄せているようで、引き続き十分な検証数のもと研究が続けられていくようです。
まとめ
タイ人の多くが家に常備している最強漢方(ハーブ)「ฟ้าทะลายโจร:ファー タラーイ ジョーン」のご紹介でした。
まだ私自身は飲む機会がないのですが、ものすごい苦さが特徴的なハーブのようですね。
実際に服用する機会がありましたら、その感想を追記しておきたいと思います。
日本でも手に入るようですね。
言うまでもなく、このブログは特定の薬や治療法を推進しているわけではありません。
タイの文化や興味深い生活情報をお分かちできればと思っての記事ですので、この「ファータラーイジョーン」をご使用する際にはぜひよく考慮の末、自己責任で決定なさってください。