【狂犬病】タイで犬に噛まれたらどうすればいい?猫も危ない?予防ワクチン接種の値段や手順

タイで何より気をつけなければいけない病気の一つに「狂犬病」というものがあります。

私たち日本人にとっては聞いたことがあってもいまいちピンとこない病気かもしれませんね。

犬を飼ったことがある人なら狂犬病の予防接種が義務付けられていますのである程度の認識があるかもしれませんが,多くの人にとってはあまり身近な病気と感じないことでしょう。それだけ日本では狂犬病が撲滅されてきたということになります。

しかしタイに滞在するにあたってこの狂犬病の危険に無頓着でいるわけにはいきません。

今回のタイラボでは本当に恐ろしい病気「狂犬病」について、そしてタイで犬に噛まれたらどうしなければいけないのかを紹介していきたいと思います。

【狂犬病】タイで犬に噛まれたらどうすればいい?猫も危ない?予防ワクチン接種の値段や手順

狂犬病とは?その感染経路や症状

世界において狂犬病はまだまだ猛威を振るっており非常に危険な病気の一つです。

Wikipediaなどで調べてもらえれば分かりますが発症すれば致死率ほぼ100パーセントという恐ろしい病気です。

「最も致死率が高い病気」として後天性免疫不全症候群(エイズ)と共にギネス世界記録に記録されている、というのもその恐ろしさを物語っています。

南極を除く全ての大陸で感染が確認されており流行地域はアジア、南米、アフリカで、全世界では毎年50,000人以上が死亡しているとの情報がありました。

なのでタイでも感染の可能性がまだまだ大いにあるということになります。

実際、去年(2016年)タイ国内で報告のあった狂犬病発症による死者数は16人となっておりまだまだ狂犬病の危険がある国だということが分かります。

狂犬病は狂犬病ウイルスによる感染症で、感染した哺乳類にかまれたり、傷口、目や口の粘膜をなめられたりすることで感染します。

そして重要な点として、発病してしまうと有効な治療法はなくほぼ100パーセントの確率で死に至ります

 

病気の名前に「犬」という字が入っているので犬だけがなる病気もしくは感染経路が犬しかないと勘違いしてしまいがちですが、狂犬病ウイルスは全ての哺乳類に感染します

ですから人間はもちろん、猫やネズミ、コウモリなんかもその感染経路になり得るわけです。とても怖いですね。

 

犬なら噛まれて狂犬病ウイルスに感染する恐れが大ですが、猫の場合は引っ掻かれた場合も注意しなければなりません。

狂犬病を発症した、もしくはウイルスを持つ猫が自分の手を舐めた後その唾液のついた爪で引っ掻かれるならそれが感染経路になりかねません。

ですのでタイで動物に接する際には細心の注意が必要になってくることが分かります。

 

狂犬病を発症した犬や猫にはどういった症状が見られるのでしょうか? 

犬の場合、よく言われるのがよだれを垂らしてフラフラした状態や凶暴になって見境いなく噛み付いてくるようになると言われています。

猫も似たような症状になると言われていますが多くの場合全身麻痺の症状が出るようです。目が座って目力がなく獰猛な表情になるというのも一つの症状のようです。

狂犬病を発症した犬猫は必ず一週間〜10日以内に死ぬそうですので自分を噛んだ動物のその後の経過を見ておくのも大切なことです。

もし自分を噛んだ動物が10日後も元気に生きていればひとまず少し安心しても良いでしょう。

 

犬や猫に噛まれたらどうしたらいいか

まずはすぐに傷口を清潔な流水で洗う。

狂犬病ウイルスは非常に怖い危険なウイルスですが、それほど強いウイルスではありません

ですので噛まれてすぐに傷口を流水で洗い流すことによって大幅にリスクを減らすことができます。

 

石鹸で傷口を洗いアルコールなどで消毒する。

流水で洗浄した傷口をさらに石鹸で洗いアルコール消毒液(イソジンなどでも良い)で殺菌することによってほぼ狂犬病ウイルスを死滅させることができます。

消毒液はコンビニや近くの薬局で買うことができます。

 

24時間以内に狂犬病ワクチン事後接種の一本目を打ってもらう

これが大切なポイントです。

「傷口も入念に洗ったし大丈夫だろう…」などと思ってはいけません。

もし犬や猫に噛まれたりした場合は必ず病院に行き24時間以内に狂犬病ワクチンの事後接種を受けてください。

発症後の致死率100パーセントの非常に恐ろしいウイルスということを忘れないでください

 

念には念を入れてどんなに傷口が小さくとも血が出ていたなら必ずワクチン接種を受けてください

実際 私が知る限りタイ人はどんな小さな傷でも犬に噛まれたなら必ず注射を受けに行っています。このケースこそまさに「郷に入りては郷に従え」です。

一本目のワクチン接種を受けた後、計5回(時折6回)の事後接種の残りをいつ受けないといけないかが説明されますので注意深く聞きそれに従ってワクチン接種を受けてください

。タイでは一般的に噛まれた日から、0日目→3日目→7日目→30日目→90日目、という期間でワクチン接種を受けることになります。

 

一度この計5回の狂犬病ワクチン事後接種を受けると3年間ぐらいは免疫が持続すると言われますが、結局その期間中に噛まれたならもう一度事後接種を受けなければなりませんので「免疫」がどうこう言うのはあまり気にしなくて良いでしょう。

「噛まれたらすぐに事後接種」これが大原則です。

ですので日本で狂犬病の予防接種を受けて来られる人もいますが、その点に関してはそこまでストイックに考えなくても良いのかもしれませんね。

ちなみに私は日本からは何の予防接種も受けずにタイに来ました。ただ安心であったり言語の問題を考えると日本で受けられるものは受けて来ても良いかもしれません。

ではいつものタイラボらしく犬に噛まれて病院に行った時、どう言えば良いのかを見ていきましょう。

 

 

病院で何と言えばいいのか

受付に行き次のように言いましょう。

โดนหมากัด:ドーン マー ガッ(ト)」犬に噛まれた

 

猫にやられたなら次のようになります。

ดนแมวกัด:ドーン メーオ ガッ(ト)」猫に噛まれた

言語的には意味は違いますが引っ掻かれた場合もこのタイ語で言いたいことは伝わると思います。

そしてお医者さんや看護婦さんに「猫にってww」という感じで軽く笑われることを覚悟しておきましょう。

 

もし傷口が大きかったり、頭に近い部分を噛まれている場合は緊急を要しますので(狂犬病ウイルスは脳に近い部分を噛まれるほど急いでの処置が必要となります)緊急処置室に行くよう指示されるかもしれません。タイ語で「緊急処置室」は次のように言います。

ห้องฉุกเฉิน:ホーン チュクチューン」

 

そして覚えておかなければいけない大切な言葉、「狂犬病」はタイ語で次のように言います。

โรคพิษสุนัขบ้า:ロー(ク) スナッ(ク) ピッ(ト) バー」

直訳すると「狂った犬の毒による病気」とまさに狂犬病のことを示すタイ語です。

 

初めて行く病院ですと診察券を作る必要があると思いますのでパスポートを忘れずに持って行きましょう

 

 

気になるワクチン接種のお値段

実際、私もタイに来てから犬に噛まれたことがあり事後接種を受けています。

その時は小さな犬に「カプっ」と噛まれた程度でほんの少し内出血があっただけだったのですが、タイ人の友人からは「念のために(ワクチン接種に)行ったほうがいい」と言われ病院に行きました。

その際、どれほどのお金がかかったかと言いますと計5回で1000バーツを超えなかったと思います。1回行くごとに200バーツちょっとを請求されていたと覚えています。

日本ですと1回の注射で一万円を超えるぐらい請求されますよね。そう考えると破格の安さです。

命の関わる病気でタイは日常的にその危険性があるので比較的安価で受けられるのかもしれません。

また私が通った病院が県立病院だったというのもあるでしょう。私営のクリニックなんかだとまた違う値段設定なのかもしれません。

そういったケースを考えると海外旅行保険が付帯されたクレジットカードなどは日本から用意して行くべきものだと言えるかもしれません。

タイの県立病院で人がごった返す中で待たされるのを覚悟で行くならかなり出費を抑えることができるでしょう。

個人の経験上ですが県立病院でも狂犬病のワクチン注射を受ける部屋は他の診療室と別にあるのでそこまで待たされることはなかったように覚えています。ただタイ語必須です。

 

狂犬病に関して思いに留めておくべき点

以上のことから狂犬病に関して次の事柄を思いに留めておきましょう。

  • 狂犬病は全ての哺乳類が感染源になる(犬だけではない)

  • 発症したらほぼ致死率100パーセントの本当に恐ろしい病気

  • どんなに小さな傷でも狂犬病の恐れのある動物に噛まれたら24時間以内にワクチン接種を!

  • 以上のことから海外ではむやみに動物を触らないほうが安全

  • 事後接種は意外と安いのでケチらず絶対に受けること!

まとめ

今回は少し真面目なトーンでのタイに関する生活情報をお届けしました。

狂犬病は本当に恐ろしい病気です。YouTubeなどで検索すると狂犬病を発症した犬や人のとても悲惨な動画が公開されています。

日本国内では人が狂犬病を発症した事例は1956年を最後に確認されていないようです。WHO(世界保健機関)の述べる情報でも日本は「狂犬病清浄地域」とされています。

つまり日本にいる限りまず狂犬病の危険性は無いということになります。

それゆえに日本人の狂犬病に対する認識もいくらか甘く少し無防備なところがあるのも確かです。

今回のタイラボの記事を見てタイ渡航の際にはぜひ狂犬病に対する認識を高めていただければと思います。

同ブログの「ネコラボ」というカテゴリーを見て頂ければ分かると思いますが、私も動物が好きなので犬猫をどうしても触ってしまうのですがそれでもいつも最低限の気は張っています。

少しでも様子のおかしい動物には触らないようにしていますし、犬よけの為にできるだけ日傘を持つようにもしています。(犬が寄って来たら傘で防ぐ。これが結構効果あります)

タイは本当にいいところなので危険ばかりに目を向けてはもらいたくないのですが、それでも今回の記事で紹介した点だけはしっかり抑えていただき安全にタイ旅行&生活を楽しんでもらいたいと願っています。

この記事が皆さんの豊かなタイライフのお役に立てれば幸いです。

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